民は之に由らしむべし之を知らしむべからず
これは論語の一節です(古文の時間に習ったことがあるかも?)。
本来は「民を(法令によって)従わせることはできるが,なぜ従わねばならないのか,その理由をわからせることは難しい」という意味です。法令の一つ一つには作ったときの経緯や意味があり、時間が経過し状況が変われば、その都度、状況に合わせた解釈があり、そこで異論が生じれば裁判で争い、それが判例となって私たちの行動を規制しています。しかし、忙しい私たちは、そもそも「なぜ?どうして?」と考えることは、あまりありません。
「なぜ?どうして?」と子どもに問われ、多くの大人は「そう決まってるの!」と答えてきました。
「なぜ?どうして?」と人民に問われ、多くの政治家は「私にお任せください」と答えてきたのです。
そこで、論語の意味も「民は黙って政治に従わせておくべきで、民にいちいち政治の内容を知らせるべきものではない」と誤解されるようになりました。
明治以降の教育でも「政治教育」はタブー視され、民主主義のルール(制度)は教えても、そのルールを使って社会や社会の仕組みを変えるところまで考えることはなく、それは一部の政治を志す人の自学に任されてきたのです。
おかげで多くの国民がサービスの受け手(だけ)になってしまい、主権者であることを忘れかけています。
投票率の低下も、議員(とくに地方議員)の候補者の減少も、それを如実に物語っているのです。
これは現在の若者だけでなく、(元)若者も同じですね~
(ミニ知識)今回の衆院選の選挙期日(投票日)は10月31日です。平成15年(2003年)11月1日までに生まれた方は投票できます。どうして?国政選挙なので、有権者は「日本国民で満18歳以上であること」が条件です。18歳の誕生日は18歳の一日目ですから、誕生日の前日に「満期」を迎えたと考えます。「年齢計算ニ関スル法律」によると「誕生日の前日の終了(24時)をもって年齢を加算する」ことになっています。実務上は、誕生日の前日の午前0時から満18歳とされます。4月1日生まれの子どもが、3月31日生まれの子どもと同じ学年になるのと同じです。
それでも、何だかおかしい。。。「なぜ?どうして?」。。。「そう決まってるの!」