今週は、リモートによる委員会や講座の予定が入っていますが、明日から博多(福岡)に出かけます。
コロナ禍でなかなか出かけられなかったので、久しぶりの遠征(出張)です。
ところで、九州の中心地である福岡市。その核になる駅名がなぜ「福岡」でなく「博多」なのかご存じですか?
「博多」の名は日本書紀に登場する古いものです。那珂川と御笠川に挟まれた地域を「博多」と呼んでいたようですが、九州に大宰府が設置されたころから、中国との交易の拠点となった「博多」は、たいへん栄えていました。
そこに、関ヶ原の戦いで功績を残した黒田長政(黒田官兵衛の嫡男)が初代藩主として、この地を治めることになり、長政親子の居所であった備前国邑久郡(おくぐん)福岡(現在の岡山県瀬戸内市長船町福岡)の名にちなんで、「福岡藩」と名付けたのです。長政は福岡城(舞鶴城)を築城し、それまで使っていた「博多」の名称を「福岡」に変えようとしましたが地元商人たちの猛反発に合い、福岡城の周囲を「福岡」、それ以外を「博多」と呼ぶようになりました。武士(行政)の街「福岡」、商人(町民)の街「博多」と言われる所以です。言葉も福岡弁、博多弁というように違っていました。
明治4年(1871年)、廃藩置県により福岡市が発足した後、明治22年(1889年)に九州初の鉄道が発足しますが、このとき「福岡」VS「博多」の争いが再燃します。そして、「博多」派をなだめるために駅名を「博多」にしたというのが真相のようです。新幹線の開業で有名になった「博多駅」ですが、「福岡駅」になってもおかしくなかったのですね。
現在、福岡県に「福岡駅」はなく、大正13年(1924年)天神に開業した西日本鉄道(西鉄)の駅も当初は「福岡駅」でしたが、今は「西鉄福岡(天神)」になっています。