東京都教育委員会は、全日制の都立高168校のうち109校が設けている男女別定員制について、段階的に廃止する方針を決めたそうです。今年の入試で、成績では合格していたのに、男女別定員制により不合格となった受験生が800人いました。うち700人が女子でした。ジェンダー平等が叫ばれながら、教育の現場には旧態依然とした差別が残っていたんです。しかも、都立高校だけ。
それなのに、改革のテンポはゆっくりです。
【第1段階】男女別定員制を設ける109校のうち42校は、定員の9割を男女別で選ぶ一方、残る1割を成績順で合格させています。これを「緩和措置」と呼んでいますが、そもそも呼び名がおかしい。まあ、それでもこの「緩和措置」を全校で実施するのが、第一段階です。来年の入試から実施します。
【第2段階】この緩和措置を1割から2割にします。
【第3段階】男女合同定員に移行、つまり、男女別の定員を廃止します。
そして、この第2、第3段階への移行時期については、「進路指導に与える影響が大きいので慎重に判断したい」としています。
さっさとやってしまえばいいのに・・
東京都では都立高校に約4万人、私立高校に約3万人が進学します。私立高校の半分は共学ですが、共学でない半分の7割は女子高です。つまり、都立高校で男女別定員を廃止すると実質的に女子の合格者が増え、男子の行き場所がなくなってしまうという現実があるわけです。
全体からみれば1%ですが、受験生には人生をかけた大問題です。
一方、少子化が進み、受験生を安定的に確保したい私立高校の思惑もあるでしょう。
「慎重に判断したい」には、ふかーい意味がありそうです。