今回の給付金は18歳以下の子どもがいる世帯(所得制限あり)に子ども1人あたり10万円を国が自治体を通じて支給するものです。ところが、現金10万円を支給するだけなら300億円だった事務経費が、現金5万円とクーポン5万円に分けて支給することになり、事務経費が4倍の1200億円に膨れ上がったことが問題にされています。差額の900億円あったら、あと90万人に10万円ずつ配れるため、所得制限も撤廃できるという説が浮上しています。
支給総額は10万円×1800万人=1兆円8千億円ですから、1200億円は経費率6~7%です。始めからこの数字が発表されていれば、おそらく問題にならなかったでしょう。いいえ、こうした経費は給付単価にかかわらず、ほぼ同じですから、給付単価が1万円とか、2万円のときの経費率といったら?想像を絶するものがあったはずなのです。
では、なぜクーポンなのか?それは、現金で配ったら何に(子どものために)使うかわからないし、もし、何にも使わず貯金にまわってしまったら、経済対策にも何にもなりません。
ところが、このクーポンの5万円分についても、自治体の判断で現金で配ってもよいことにしてしまったことから、話がさらに複雑になってしまいました。
本当に子どものためを思うなら、学校などで徴収している副教材やドリルのお金、給食費、遠足や校外学習費用など、公費で負担しようとすればできるところがいっぱいあります。保護者の所得や口座をチェックするなどの手間もかからず、事務経費もほとんどかかりません。一度、ご検討ください(笑)。
■追記■事務経費は、現金給付に280億円、クーポン支給に967億円、合計1247億円でした。