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日米地位協定とスペイン風邪

 米軍人240人(255人という情報あり)のほか、基地従業員の日本人十数名がオミクロン株に感染していることが確認されています。日本では、外国人の新規入国停止措置など水際作戦を強化していますが、米軍人はパスポート無しで基地に直接入国することができ、検疫の対象になっていません。

 これまで米国側は「出国前2週間、到着後2週間は隔離している」と説明し、日本政府もそれを鵜呑みにしていました。しかし、9月以降、米軍はPCR検査さえ実施していなかったことが分かったのです。

 コロナに「日米地位協定」を説明しても理解できません。それなら、せめて日本政府に説明してほしかった。

 外務省は、「米軍の施設・区域は日本の領域であり、日本政府が米国に対しその使用を許しているものなので、米軍の施設・区域内でも日本の法令は適用されている」と説明していますが、実態とはかけ離れています。

 クラスターの発生後、沖縄県知事は米軍人の外出禁止を要請しましたが、これも無視されています。

 国内には100か所以上の米軍基地がありますが、どこも同じ状況のようです。

 およそ100年前に大流行し、死者5千万人とも1億人とも(日本国内では40万人)言われている「スペイン風邪」で、初めてクラスタが確認されたのは、米国の陸軍基地だったという記録が残っています。

 時代は第一次世界大戦の最中。大きな人流が感染を広げたのです。