コロナ禍でGIGAスクール構想が前倒しになり、今年度までに小中学校でのPC端末の導入(一人一台)が完了する一方、義務教育でない高等学校(公立)では、三分のニ以上の都道府県でPC端末の導入が進んでいません。しかも、小中学校は自己負担ゼロで貸与されますが、高等学校では自己負担ゼロから10万円(想定)のところまで、都道府県によって差が出ています。必要なの?使えるの?どんな効果があるの?という問題はさておき、生徒全員に持たせるのですから、「教育の無償化」に逆行しますし、さらに、これが都道府県の財政力で左右されるというのでは、納得がいきません。
そもそもGIGAスクール構想では、高等学校へのPC端末の導入はBYOD(Bring Your Own Device)つまり「自分のデバイスを持ち込む」ことが想定されていました。ですから、PC端末以外の高速無線LANなどネットワーク環境の整備は国庫補助の対象になっているのです。
高校生にもなれば、スマホやタブレットを持っているのは当然で、校内、校外の別なくシームレスに情報を使いこなせなければならないという発想はわかりますし、端末を2つ持つより経済的で、すでに、大学ではほとんどがこのBYOD方式です。
しかし、このままだと、小中学校でICT教育を受けてきた児童生徒が、高等学校へ進学した途端に紙の教科書と黒板という、一昔前の授業を受けることになりかねません。「子どもひとり〇〇万円」何に使われるかわからないお金を配る財源があるなら、せめて、その一部を使って子どもたちの教育環境を整えてほしいと思います。