花(植物)の名前に無関心な私でも知っていたのが、庭に咲いていた「紫陽花」です。カーネーションやチューリップがそうであるように、姿が特徴的で子供でも間違えることはありません。
この「アジサイ」の語源には諸説ありますが、「藍色が集まったもの」を意味する「あづさい(集真藍)」から来たとする説が有力です。漢字では「紫陽花」と書きますが、この「紫陽花」という表記は中国、唐時代の詩人、白居易(白楽天、772~846)の詩に登場します。白居易とは、あの「長恨歌」の作者です。
「色は紫にして気は薫り高く、誠に美しい花であるが、誰も名を知らないので”紫陽花”と名付けよう」
どうやら、これを訳した日本の学者が「紫陽花」=「アジサイ」と結びつけたのですが、実はこれが間違えで、白居易の詩に登場する「紫陽花」は、本当は「ライラック」だったのです。
確かに、日陰を好む「アジサイ」に「陽」という文字を充てるのも・・・
「アジサイ」は、もともと日本生まれの植物です。日本の「ガクアジサイ」がヨーロッパに伝わって品種改良され、逆輸入されたのが「西洋アジサイ」です。いま、私たちが目にするアジサイは、この「西洋アジサイ」で、とくに品種改良されたものを「ハイドランジア」と呼び、お花屋さんで見かけることがあります。
ところで、間違えたままでいいの・・・(笑)