1970年代、高校生の時に遭遇した「公害問題」。公害国会、公害対策基本法制定、環境庁(環境省の前身)が設置されたという時勢の中で新設されたのが「環境化学工学科」で、私は、その第一期生です。実は、「環境」の2文字に気をとられ、次の2文字「化学」を(完全に)見落としていました。それを救ってくださったのが叙勲を受けられたF先生でした。F先生の研究室は「生物・物理・コンピュータ」、つまり「化学」が抜けています。
FORTRANを使う大型コンピュータだけでなく、研究室にはYHP(横河&HP)のミニコンがありました。それをBASICで動かしていました。T大のコンピュータとつながる端末(確か、4800BPSでした)もあって、遊び(使い)過ぎてT大から高額の請求があったと叱られたことがありました。犯人は私です(笑)。
研究室はゼロからのスタートでした。とにかく自分たちでいろいろなものを作りました。「インテルからワンボードマイコン(SDK-85)を購入したけど組み立てられる?」には即答でした。研究室には道具が揃っていなかったので、自宅で組み立てました。ロジック回路の設計を依頼されて図面をF先生にお見せしたところ、「作ってみて」とお金をいただいて、秋葉原で部品を集めたことがあります。TTLが100個とか200個の回路になると不具合のあるICも出てくるのでチャッカーを自作したり、チャタリングを目で見るために我が家にはオシロスコープがありました。こうして、できあがった回路を動かしてみて、「いや、ここは16進数でなく2進数(0101)で入力したかったなぁ」って言われたことを思い出します。<以降のスピーチ省略>
祝賀会の冒頭、F先生の講義がありました。写真はその資料「生命の見晴台へ」の裏表紙です。DNAを構成する4つの塩基(ATGC)の配列が遺伝情報ですが、3つの並び方(コドン)で生成するアミノ酸が決まります。例えば、「CAG」はグルタミンというアミノ酸を表すコドンです。コドン表(二次元)は見たことがありますが、この図は三次元で表現されています。これは・・久しぶりに脳が活性化され、進化しそうな・・祝賀会でした(笑)。