中学校の教科書(道徳)に掲載されるようになった杉原千畝(1900~1986年)のことをご存じない方はいらっしゃらないでしょう。ナチスドイツの迫害から逃れるユダヤ人のために、外務省の訓令に反して(ここが強調されている)日本への通過ビザを発給し、6千名もの尊い命を救った元外交官です。
八百津町へは新可児駅から名鉄広見線で一つ目の明智駅からバスに乗ります。乗客は二人。終点のファミリーセンター前にはタクシーが待っていました。何でも土・日・祝日は無料だそうで、「明日なら無料だったのに」と言われました。いいえ、世の中に無料のサービスなどありません。誰かが(自治体が税金で)負担しているのです。
往復のタクシーの中でドライバーさんから「千畝さん」にまつわる話をたくさん聞き、記念館の資料を拝見し、いくつもの疑問を解決することができました。例えば~
・ビザを入手したユダヤ人がどうして入国審査をパスできたのか?日本にも人道主義を貫いた公務員がいました。
・ドイツとの同盟関係から容認できない外務省をどうやって欺いたか?縦割り行政が功を奏しました。
ドライバーさんは、オトポール事件(陸軍中将樋口季一郎がソ連・満州国境で通行許可書を発行して、多くのユダヤ人を救った)のことも話してくれました。人道主義で共感できるとは何と素晴らしいことでしょう。
この樋口中将の行為を容認したのは関東軍司令部東条英機参謀長、ユダヤ人をハルピンまで送るために特別列車を用意したのは南満洲鉄道の松岡洋右総裁です。さすがに、これは教科書に載せられない不都合な真実です。~話に夢中になって、バスに乗り遅れるかと~
「公務員の仕事は法律を守ることではない 法律を使って、国民、住民を守ること 時代や社会に不適合な法律を正すのも公務員の仕事」改めて、そう思いました。
石狩市に樋口季一郎記念館ができたそうなので、機会があったら寄ってみたいと思います。