富山大学の学生の集まる会員制の「面白ベース」このコミュニティを上手に説明できないので⇒「面白ベース」。
学生の皆さんにお願いして出かけたのが、富山県立「イタイイタイ病資料館」です。イタイイタイ病は、富山県の神通川流域で起きた日本の四大公害病の一つ。
病気の原因は、神岡鉱山(岐阜県飛騨市)から排出された有毒のカドミウムで、これが神通川(じんづううがわ)を汚染し、川水に汚染された農地に育った米などを通じて体内に入り、蓄積され、腎臓の機能障害や骨粗しょう症を引き起していたのです。
この神岡鉱山は、当時、東洋一の亜鉛の採掘量を誇っていましたが、2001年、採掘を中止。その後、鉱山の地下1000mに建設された実験施設「カミオカンデ」や「スーパーカミオカンデ」を使ったニュートリノの観測が行われ、小柴昌俊氏や梶田隆章氏がノーベル物理学賞を受賞したことで有名になりました。
私が、四大公害病(イタイイタイ病、水俣病(熊本)、新潟水俣病、四日市喘息)を知ったのは中高生のときです。1970年に「公害国会」が開催され、公害対策基本法(改正)をはじめとする公害関係14法案が成立し、1971年、現在の環境省の前身である環境庁が設置されました。従来の経済発展重視の考え方を改め、環境保全に舵を切ったのです。私が大学進学で「環境化学工学科」を選んだのは、1975年のことでした。
しかし、第四次中東戦争を契機に始まったオイルショック(第1次)で、環境保全の道は閉ざされ、私の就活は失敗に終わります。当時、公害防止(環境保全)は、企業にとって、まだまだオプションだったのです。